| (つっちぃ評)
この作品をどう説明したらいいものか……僕のつたない文章では到底表現しきれない、最高に上質で愛情にあふれた作品に出会えました。
それは、うわべのやさしさや打算的な気遣いなどが当たり前のようになり、相手を表面的にしか捉えられなくなっている昨今。人と人の繋がりが希薄となり、ますます個人化が進む現代に於いて、誰もが本当のやさしさや思いやりの意味について忘れかけているように感じます。古くから日本の美徳ともいわれている、自分を犠牲にしてまでも相手のことを思いやる心。そんな、私たちが忘れてしまっている“思いやりの心”の本質に迫ったこの作品は、感動作などといったありきたりの言葉では物足りない、類い稀な映画です。
もちろん、そのストーリーでは父親と息子の確執といった親子関係を軸に描かれていますが、恋人や夫婦、友人、上司と部下などにも触れ、どんな関係であっても相手を思いやる心には変わりのないことを教えてくれます。そして、それを受け取る側についても、表面的な言葉や態度ではなく、その裏に込められた相手の深い思い(=愛情)を汲み取る大切さに気づかせてくれます。
つまりこれは、僕なりの表現をするならば“気づきの(ための)映画”といえるのではないでしょうか。やさしい言葉や態度ばかりが本当のやさしさではなく、相手を思いやる心に自我は生まれない。そんな無償の愛を描いたこの作品を、ひとりでも多くの方に観ていただき、自分の身近にある本当の愛に気づいていただきたいと思います。 |