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Photograph:Yuichiro Orura Styling:Mizuki Ueda Hair&MakeUp:Satomi(Mizuki) Setsuko(LiLy) Editor:Mika Onizawa Designer:Nandy&NiceBros!
ショップ店員だった頃を懐かしく思い出しちゃいました(みずきさん)

みずきさん:『11センチのピンヒール』読みましたよ! 主人公のリコがショップ店員だったんで、すごく身近に感じて。出だしのシーンとか、「懐かしい〜!!」みたいな。懐かしさから入っていって…タカノ、超タイプです!

LiLyさん:タイプ?! 私もー(笑)!!

みずきさん:超タイプ! 彼はすごくいい男だなって、ときめいちゃう感じ。ひねくれちゃってるリコに、ピュアな彼がとっても正しいことを言っていて。彼がいてくれて良かったな〜と。私がショップ店員やってたときも、リコみたいな子いました。自分のことで精一杯だったから当時はわからなかったけど、あの時、あの子もこう思ってたのかなって。それに周りに見栄を張っちゃう気持ちは、わかる。最近になって、やっとそういうのがなくなってきたけど、上京してきた当初はツラかったな〜って。

LiLyさん:そうだよね。上京したてのときって、自分のことでいっぱいいっぱいな時期。仲がいい友達でも、ライバル視してしまうところがあって、一番苦しい頃だよね。

みずきさん:あたし自身も、19歳のときに東京に出てきて販売員をして…、その時期がいちばん苦しかったから、物語の途中まで自分とダブりました。女の子の集団が得意ではないので、普通に飲んでワーっていうのはあるけど、真剣に話をしたり、自分の本音を言ったりするのはごく少人数。この作品では、華ちゃんみたいな友達がいてくれて良かったよね。華ちゃんがリコの心を開いてくれたんじゃないかな。女の子の友情って、そこからが長い。とくに東京に出てきてからは、そう思う。

LiLyさん:私も19歳の頃、ALTAで販売員をしてたんだけど、やっぱり"見栄の張り合い"みたいな部分はあったと思う。「それどこのブランド? へぇ〜、私もほしいな」とか。「イケててなんぼ! ダサい位なら死んだ方がマシ!」みたいなギャル風潮だったっていうのもあるけど、リコみたいなタイプの子も多かった。これまで書いてきた恋愛エッセイでは、強い女の子に焦点を当ててたけど、リコみたいなタイプの女の子にはそれがプレッシャーになっているかもしれないって思ったの。だから、そういう子に向けてフィクションの小説を書きたかったんだよね。

みずきさん:LiLyちゃんって、リコとタイプ違うもんね?

LiLyさん:そうなの。でも、書いていくうちに、「なんだ、私も似てるじゃん」って思った。今思えば、わかるからこそ苦手だったのかも。自分の嫌な部分を重ねて見てたのかもしれない。

嫉妬抜きで憧れられる年上の人が近くにいるとラク(LiLyさん)

対談が行われたのは、SLYのプレスルーム。この日の2人のファッションも、もちろんSLY! 数あるアイテムの中から、みずきさんがコーディネートしてくれました。

MIZUKI:霜降りパーカー¥7,140、キリン柄ワンピース¥7,560、図形柄スパッツ¥3,675(以上、SLY)、靴・アクセサリー(本人私物)
LiLy:デニムライダースベスト¥12,390、サテンオールインワン(ストライプ)¥14,490、カラータイツ<参考商品>(以上、SLY)、靴・アクセサリー(本人私物)

LiLyさん:主人公のリコは、タカノや、華たちとの出会いのなかで、ちょっとずつ素直になっていったけど、みずきちゃんにも、そういう経験ってある?

みずきさん:あるある! 販売員時代、「地元に帰ろうかなー」って思ってたときに、一緒に働いていた年上のお姉さんが「一緒に住もうよ」って誘ってくれた。同じマンションの違う部屋に仕事仲間3人が住んで、いつも誰かの部屋に集合〜、ってやってたのね。

LiLyさん:楽しそ〜う♪

みずきさん:5、6歳上の人たちだったから妹扱いしてくれて、「東京では姉妹だからー!」みたいに言ってくれたの。それですごく精神的にラクになって、やってこれたってのはあるかな。その出会いがなければ地元に帰っていたかもしれないし。LiLyちゃんも、そういうのあった?

LiLyさん:私は子供の頃、素直になれなくて、日記にだけ本当の気持ちを書いてたんだけど、その日記に"ミズキ"って名前をつけてたの!

みずきさん:あたしと同じ名前だー!

LiLyさん:そうなのー! 実は、小3のときに憧れてた小5の女の子の名前だったんだ。

みずきさん:憧れのお姉さんの名前だったんだ。そういうお姉さん的存在って必要かも。

LiLyさん:うん、年上ってラクだよね。嫉妬とか抜きで、素直に憧れられるし。

みずきさん:同世代のライバルっていうか、ぶつかり合う友達といるよりも、ちょっと年上の憧れの人の近くにいれば、その人に近づける。自分も成長できるし、憧れに近づけるし。

LiLyさん:そして自分が20代後半になると、今度は、年下の女の子と相性が良くなるよね。同世代って分かり合える部分も多いけど、張り合っちゃうところも多少あるからね。20歳くらいの時は特に。

みずきさん:そうだね。30歳に近づいて、やっと同世代と仲良くなれるのかもしれないね。

5年前のものも着られる、SLYのセンスが大好き!(LiLyさん)

撮影の合間に新作アイテムをチェックするLiLyさん。みずきさんにこだわりポイントを聞きつつ、たくさんお買い上げ♪

LiLyさん:ここにいっぱいある服、デザインしているんだよね。大変じゃない?

みずきさん:うーん、月に150型くらいを4人でデザインしてて、その半分弱を担当してるんだけど…洋服を作ることはすごく楽しい! ただ、みんなが、SLYに求めてくれていることと、自分のやりたいことの間をとるのが難しいかな。年齢を重ねてくると、「もっと、いい素材を使いたい」とか、いろいろな欲求がでてくるけど、そういうデザインを、"安く""着やすく"もっていくのがSLYだから。ワガママに「いいでしょ、シルクでー!」って、高価なものを作るのは簡単なんだよね。そうじゃなくて、自分が得てきたものをうまくデザインに反映させて、しかもみんなが買いやすい値段に設定して、「えっ、これがこの値段?!」って言ってもらえるのがすごく嬉しいの。

LiLyさん:私、SLYがスタートしたときから、すごく好き。服はもちろんだけど、ショップやスタッフの髪型や、全部のセンスが好きなの。細部まで手を抜いてないってのが、本当にすごいと思ってる。それは、みずきちゃんのセンスでもあると思うんだよね。

みずきさん:ありがとうございます。

LiLyさん:SLYと出会った頃は、ふつうの日でもクラブに行くような格好をしてたの。でも20代後半になって、持っているギャル服、「もう着れないな」っていうのが増えてきた中で、SLYだけは5年前のアイテムでも今のリアルクローズとして着られるのよ。

みずきさん:うれしー♪

LiLyさん:クレイジーなんだけど日常着としても着られるっていうのは、難しいからね。

みずきさん:セクシーな服って一歩間違えると、下品になっちゃうからね。そこは気をつけるようにしてます。でも、ずっと服のデザインをしていると、詰まるときは詰まるんだよね。「これで満足! もうでないよ」って(笑)。

LiLyさん:そういうときの息抜きは?

みずきさん:うーん、そういうときは逆に何もしないですね。LiLyちゃんは?

LiLyさん:私も、ひとりでパソコンに向かって書いてると、すごく寂しくなるときがある。主人公の悩んでいる心情を書いているときって、自分の気分もどんどん落ちていくの。でも、ハッピーな状態で、悩んでる心情を書くってのはできないから、そのバランスがすごく難しいかな。

みずきさん:そっかー。でも、どんなに悩んでいても「自分のやりたいことだから」って思うと最終的にはなんとか、ね。どんなに行き詰まっても「やりたかったことだから」って。

LiLyさん:そうそう。やっぱり作品が本になって、本屋さんに並んでいるのを見るのはすっごい喜びだし。

みずきさん:本って、作者の世界に入るじゃないですか。一対一になるっていうか。自分が作った世界に、人を持って行けるっていうのがすごい。

LiLyさん:たしかに、そこはいちばん喜びを感じるところかも。

仕事は私の情熱だから続けたいけど、家族が欲しい(LiLyさん)
守るものができたら、「もっとイケる」かもしれない(みずきさん)

LiLyさん:今って、働く女性、成功してる女性、オシャレな女性、全部やらなきゃいけない感じでしょう? そして、結婚もしなきゃ、子供も持たなきゃ、って。

みずきさん:どんどん、ハードルが高くなってるよね。

LiLyさん:全部やりたいんだけど、でも、全部やるのはすごく大変で「…どうしよう」って(笑)。私の場合、10代のときにやりたかったこと、20代になってやろうとしたことは、一応全部できてきたような気はするんだけど。って言っても小さなことで、例えば、10代の時は親に嘘つかなきゃ彼氏と泊まったり出来なかったけど、今は同棲できているとか、仕事を頑張って自分のお金で好きなもの買えるようになったりとか。だから、すごく自由で楽しいなぁって思うけど、でも、それと同時に10代のときにはなかった新たなプレッシャー、「結婚」と「子ども」っていうのが出てきたんだよね。

みずきさん:そうそう、この仕事の楽しさとどっちを選べば…っていう葛藤があるかも。いつのタイミングがいいんだろうって。

LiLyさん:「結婚」とか「子ども」とか考えると、仕事を同じペースでは続けられないだろうって…。けど、女性には身体的にもタイミングがある。

みずきさん:その葛藤はあるよね。逆に、若くして子供を産んでいる子は、逆の立場で、自由にやってる子をみて葛藤していると思うし。

LiLyさん:そうだよね、その2パターンのどちらかに分かれてくる年齢でもあるよね。お互い無いものねだりとはわかっていても、葛藤してるんだよ。そこには寂しさもある。中学時代からずっと仲の良かった子も、そういうことで距離ができたり。価値観が変わってきちゃうから、ずっと友達でいたいのに、環境が変わって離れていくのが、すごく寂しい。

みずきさん:どこでひとつめの区切りをつけるのか、ちょうど悩む年齢かな。そろそろ、家庭を持つとか、将来のビジョンを考えなきゃな、とは思っているんだけど。

LiLyさん:わかるなー。そのためにも仕事頑張ってマンションとか欲しいな(笑)。で、子ども部屋の壁をペンキで塗りたい。ミントブルーとかに(笑)。

みずきさん:そういう"新しいママさんゾーン"っていうのを作りたいよね。

LiLyさん:そうだね!! SLYにも、ママさんラインとか作ってよ!

みずきさん:家庭を持って、ある程度の余裕があって、ガツガツ仕事ばかりしているわけじゃないのっていう感じの派手好きな女の人たちが、これから増えてくると思うんですよ。そういう、SLYのファンとか自分が今いる年齢層の人たちと一緒に年を重ねていって、違う世界を作っていけたらいいな、と漠然とは思っています。

LiLyさん:私も最近は、おだやかな気持ちで、読者と一緒に成長したい、ロングスパンのキャリアを持ちたいって夢見るようになってきた。ハタチくらいの頃は仕事で成功したいってガムシャラだったけど、それが一応手に入ったかなってときに実感したのは"最後は人"なんだってこと。極端にいうと、彼氏がいなかったら生きていけないけど、仕事がなくても生きていけるのよ。そう考えると、いちばん大事なのは人なの。もちろん、仕事は私にとって情熱だから、やり続けたいけど、やっぱり家族が欲しい。

みずきさん:それはすごくわかる。じゃないと、これ以上は頑張れないかなってところにきてるんだよね。"格好いい大人の女になりたい"って気持ちでここまできたけど、ある程度満足して、ここから何を励みに頑張っていこう? って思ったら、守るべき人とか家族とか子どもとかがいたら、「もっとイケるな」っていう気がする。死に物狂いで頑張れば、一発ドーンと大きいことができるかもしれないけど、持続することのほうが難しい。それは、ブランドでも同じで、今、ちょうどSLYでも、持続の大切さ、大変さを実感してるところ。

LiLyさん:そうだよね、積み重ねてきたことを継続しながら、新しいものを産みだす、これからはそこだよね。

2007.12.18up

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