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LoveLaboratoryFAnetOnline Novels 私の恋愛ストーリー入選作品一覧
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私の恋愛ストーリーエッセイ佳作
プレハネムーン
筆者:詠緋さん
仕事に疲れて単身イギリスへ留学。遺跡ストーンヘンジで出会った日本人男性は、気恥ずかしそうに「気軽な一人旅」と言った。単調な日々に倦んでいた私は、ガイド役を申し出て…。
イラスト/福田さかえ
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遡ること5年前、数年働いた会社をリストラされ、新しく入った会社では上司のセクハラ。立て続けに降りかかる災難で精神的に追い込まれた私は、家族の反対を押し切り、単身イギリスへの留学を決めた。今後の人生に箔を付けたかったわけでもない、目標が特別あるわけでない、ただ、その場から逃げたかったのだ。
ロンドン郊外の家庭にホームスティをしながら、語学学校に通った。周囲の環境になれるまでの2〜3ヶ月はそういう単調な毎日が続き、慣れてくると休みにロンドンやその他の郊外に足しげく出かけた。
その日も、郊外にあるストーンヘンジという古代に作られた石造物の遺跡を観に行った。そこは、機械音声スピーカーなるものがガイド代わりに案内してくれるシステムを取っていて、私は迷わず「JAPANESE」と書かれたスピーカーを取り、足を進めようとした。しかし何をしても日本語はおろか、なにも聞こえない。
慌てていると、「どうしたんですか?」と後ろから日本語の男性の声。振り返ると30代半ばくらいの男性が立って、心配そうに機械を覗き込んでいた。
「なんにも音が聞こえないんです、壊れているんですかね〜?」
そう言って私は苦笑いをした。
「良かったら僕の使いません?」
そう言ってその男性はスピーカーを私の方に差し出した。
「いいですよ、あなたはどうするんですか?」
私が断ると、
「なら、交代で使いません? もちろんいやでなければですけど」
私はコクリとうなずき、あたりさわりのない世間話をしながら二人で遺跡を回った。
無事遺跡見学を終え、男性にお礼を言い、スピーカーを元の場所に戻した。すると男性は、
「この後、なにか予定はあります?何しろ気軽な一人旅で…、なにも予定を立てずに来たものだからどこをどう回っていいやら…」
と気恥ずかしそうに言うので、
「私もこの1週間は学校も休みで身をもてあましていたんです。いいですよ。優秀なガイドとは言えないですけどね」
と、私は答えた。
「ありがとうございます」
うれしそうに男性は言った。
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