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LoveLaboratoryFAnetOnline Novels 私の恋愛ストーリー入選作品一覧
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私の恋愛ストーリーエッセイ第2位
ブタ姫、チャボに負ける
体験談筆者:ととこさん
※体験談部門受賞作品は、応募作品の内容をもとに書き起こした小説として紹介してあります。Novelization:笹倉 紫
すべての女性の理想ともいうべき美青年にプロポーズされて、有頂天な「私」。ところが、彼の恩師とかいう中年男が出現、ふたりの間の邪魔をする。「いいもん、結婚するんだもん」と幸せいっぱいの時に訪れた運命の日…。
イラスト/福田さかえ
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  私ね、結婚を申し込まれたのよ、恐ろしく素敵な彼に。
何せ背が高くて美青年なんだから! 私みたいなデブとはつり合いにならないくらい! 素晴らしい彼が、本当に不意に、「結婚を前提に付き合ってください」って言うなんて、チビでブタで不細工病と日々戦っている私にとって、すごいラッキー! OKして有頂天だ。
だけどこれが奈落の落とし穴だった! 気がつかなかった私は馬鹿だよ。
彼はすべての女の理想だったと思う。容姿がカッコイイだけじゃなくて、仕事が忙しくても私のために時間をたっぷりさいてくれたり、騒がしい私と違って物腰がやわらかで、落ち着いてて、優しい物言いで、私は嫌いなヒゲも彼なら許せちゃった。
こんな絶品の彼を、ただ飾っとく手はない。有頂天ブタの私は、友人に知人に、女という女に見せびらかした。
だって苦節ん年のブタ人生だよ。物語の主人公を演じられるチャンスなんかなかったんだもん。小さい頃から、どのお遊戯会の芝居でも、石とか草とか台詞もなしで隅っこにしゃがんでる役ばかり。私がこの世でした大役は、たったひとつ、白雪姫の魔法使いのお婆さんなんだよ。台詞は多かったけど、誰もやりたがらないから私にお鉢が回って来ただけの役。こんな社会の脇役でブタの私が、主人公を演じてきた美人たちと渡り合える幸運なんて、またとない!
私は美しい彼女たちが、彼を見てうらやましげにヨダレを流すのを、優越感をもって見てたんだ。(後で大失敗とわかったけど、この時は気づかなくてね)
一気に友人の中でもいちばんイヤな女に名乗りをあげた私は、友人の陰口さえも心地よい勝ち組女。おまけに彼の友人たちにも猫をかぶって面通しすると、好印象。彼の両親には嘘みたいに喜ばれ、「すぐにでも結婚を」って! これって私の天下だよね。
天下だ、天下だぁーい!
だけど、ある日紹介された彼の恩師っていうのが、感じ悪い。すぐに嫌われたとわかったね。つまり、私が猫をかぶったブタだって、すでに知ってるみたいなすごい冷めた目で見るわけよ。さすがに先生だ、人を見る目があるのよね。私の絶品の猫かぶりも通用しないんだ。まぁ、いいけどね。
この先生、色黒ちびのチャボ! こんな中年なんて何でもないよ。本当に色黒でちびで、うるさくて鶏のチャボそっくり! でも私、このブ男と結婚するわけじゃないんだからさ。
私、彼に、この恩師とあんまりつきあってほしくなかったんだけど、チャボったら、「遠方に居る彼の両親の代わりを自認している」とか言っちゃって、なんやかんやとつきまとってくるから困った。
ただのつきまといじゃないって! デート三回に一回は、チャボがおまけについてくる。その上、チェック入れてなかなか帰らないんだ、これが!
何をチェックするかって? 何でもチェックよぉ! たとえば私の着ている服が派手だとか、品がないとか、レストランでのマナーがなってないとか言ってくる。私の話すことが陳腐で教養が知れるとも言われた。(このチャボ! ゴジラになって火をふいたろか!)
彼には気が弱いところがあったのねぇ。欠点がすこぉし見えてきた。しつこく私の失点を羅列したチャボがやっと帰ってくれて、やっと二人だけになって、やれやれ不細工ちゃんのお楽しみはこれからだ!なんて、私がダッシュを入れると、決まって彼が素っ気なくなって、フッと帰っちゃう。
 なんで?
まぁ、それでも婚約指輪はあったからね。ほんと、薬指の指輪の威力はすごい。ブタもおだてりゃ木に登る!みたいに新居探しに式場探し、新婚さんになるひと通りの事をしながら、この頃になると彼のマンション出入国自由自在の鍵まで手に入れた。まるで早めの奥方みたいな真似事までした。
その頃の私は、ブタ姫でもラッキー! 何をしてても幸せだったから、彼のために何でもしたかった。掃除、洗濯、料理と、家じゃ母に頼り切ってる家事も、彼を喜ばせたくてどんどんした。なんかへんだけど、彼のためにいろいろしちゃってる自分が、自分でかわいらしく思えたんだね。
でも不思議なことに、彼は私が部屋の掃除なんかをするのがイヤだったらしい? 彼に他意はないみたいだから、まぁいいか!
結婚もするし!
結婚するんだ!
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