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LoveLaboratoryFAnetOnline Novels 私の恋愛ストーリー入選作品一覧
ブタ姫、チャボに負ける 私の恋愛ストーリー体験談第2位
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ブタ姫の私は、あの運命の日、スーパーでオバサン達の熱気にもひるまず、鼻息荒く彼の好物を買いあさってた。両手にどっさりの振り分け荷物になって、まるで古女房スタイルでも幸せだった。幸せなままに彼のマンションの扉を開けた。
確かに扉を開けるまでは幸せだった。玄関の鍵を開け、台所の冷蔵庫に食材を押し込んで、ふっと、「布団も干しておいてあげよう」と思った。
思わなきゃ良かったのか?
悪かったのか?
今でもあの日の事はひっかかる。トラウマになったよ。
彼の寝室の扉を開けたそのとたん、頭が真っ白になった!
彼が、ベットに誰かを連れ込んでいるのを目の当たりにしたから。
それだけでもショックだったのに、ベットのシーツの脇からはみ出した四本の足はどれも脛毛が渦を巻いている!
男同士?
ぶっ飛びで気が遠くなった瞬間、ベットから男たちが起き上がった。
その男二人とは、彼とチャボだった。
彼とあのチャボが、ふたり、すっ裸でベットに居た。
こっちを見てる。
信じらんない。
この目で見てるのにわけがわからない。自分の脳みそがウニになって流れるのを感じてた。 どおいうこと?
その後、何か私が言ったか、彼が何か言ったか、はたまたチャボに何か言われたか、全く何にも覚えてない。忘れられないくらい強烈なことなのに、気がついたら自分の家の自分の部屋にいた。
つまりぼーとしてる私に、私自身が気がついたのは我が家に戻ってから。泣くでもなくわめくでもなく、ただぼんやりしているブタ姫だった。自分で自分を持ち余してた。
私にとって、チャボと彼の愛し合うのを見た、あの運命の日は何だったのか?
運命の日の翌日から数日間、私は不思議と、彼に出会う前のごくごく平凡な生活を取り戻してた。だけど、指輪がなかなか捨てられなかったなぁ。私、泣かなかったけど傷ついていないわけじゃなくて、ぼろぼろになりすぎてたんだよね。
へんだよね、泣けなかったんだぁ。
彼は運命の日から、何度もうちに来て、話し合いたいと言って泣いてたけど、彼の泣くのを見ても、泣けるのはうらやましいなと思っただけ。かわいそうとは思わなかった。
ショックで冷めたんだかな?
つまり私っていう女は、中年チビのチャボ男に負けたわけよ。自分の容姿にはもちろん自信なかったけど、チャボに負けるほど不細工ちゃんだと思わなかった。絶望的。日々を普通に送りながら完全な自信消失、自己消滅しかけてた。だって中年のブ男に負けた女なんて、世間じゃ笑い話にもならないもの。
でも薬指に指輪してた。なんでかなぁ、残骸とはわかってたのよねぇ。今考えるとなんですぐに彼に突っ返してやらなかったんだろうかと思う。結婚が駄目になっても指輪してるのって、本人にも負担だけど周囲だってうざったいよね。
そんな消滅しかかったブタを、引っ張りあげてくれたのは友達だよ。男に男を取られたブタは、恥ずかしくて出不精になっちゃった。
だけど私っていうブタに、こっちが楽しいから出て来いとか、あっちが面白いから行こうとかね、何かと私を引き出してくれたのは友達☆
彼との婚約で有頂天になって、鼻持ちならないブタ姫だった私は、かなりの友人を失くしたけど、それでも復活を待ってくれてた友だちに癒された。だから今、何はなくても友人は大事なんだって身にしみて言える。
いつの間にか、彼は彼で可哀そうなのかなと思い出した頃に、彼の友達に偶然会って、彼がどうしているか、話を聞いた。
チャボは彼の恩師でもなんでもないの。それなりの男が行く、それなりの男たちのお店に遊びに行った時に知り合ったらしい。二人とも、たえず別れたりくっついたりを繰り返しているって言ってた。他に好きな人ができて別れても、いつの間にか、また彼とチャボはくっつくらしい。変わった縁だそうだ。
 「彼、泣いてたよ」と言われて、ふいに自分が悪かったかなと思った。彼の事をわかってあげてなかったな、なんてお人好しなこと思った。
今ならそんな考えは笑うよ。世の中そんなに綺麗じゃない。
彼の最低さを知ったのは、それからあとの話だった。
彼の友人や知人の話はこうだ。
「ブスと結婚すれば、こっちに非があっても我慢するだろうと思ったら、ブスのくせに俺から逃げた」と愚痴り、
はい?
「ブスでもいいから結婚して、男と縁が切れた自分を親の前で演出して、親を安心させたかったのに」とのたまい、
はい?
「女は子供は生めるから、ブタでも我慢したのに」
って言って、日々泣いてるらしい。
締めくくりはすごいよぉー!
「ブスから、婚約解消の慰謝料が取れないか?」って弁護士に聞いたらしい。
取れねーよ! お前が悪いんだろーが! こっちが慰謝料取りたいのに、信じらんないアホ!
おい! ド頭、かち割ったろか!
私、指輪を抜いていた。
すぐに人に入ってもらって、彼に突っ返してせいせいしたな。
なんで、いつまでもこんな物を薬指にはめてたのか、不思議だったのを覚えている。
私は愛されない生活を逃げられたんだ。降りかかる災難を乗り越えたんだ。
彼は誰かを愛せる人間だったのだろうか? あんな彼に引っ張られているチャボが、ふいに哀れになった。
そうしてほっとした。
なぜだかほっとして、ほっとしたらなんだか泣けて泣けて、声を上げて泣いてた。

今は昔の話だけど、ほんとうに恐ろしい思いをしたね、私。(Fin
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