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【202】脱・プチ東京。ドン小西、ただ今地方を絶賛応援中![2007/10/31]
僕のトークショーが行われたのは、総曲輪の商店街のど真ん中にあるガラス張りのイベント会場。あたしも、この手のイベントではもうすっかりプロ級の仕事ができるようになった。客層や客の反応を見ながら、サクサク話を進めていくわけだよ。
地元の専門学校の生徒のファッションショーもトークショーの合間に行われた。これら4点の作品はその一部だが、ちょっと評価をさせてもらうと…。うーん、がんばっているのはわかるが、やりすぎだよ。隙間がないくらい柄で埋めつくされてるもんな。こういうのって見る側に立ってみれば、どこがイケてないか簡単にわかることなんだけどね。ファッションには客観視も重要ってことだな。
京都の舞妓さんもイベントに参加した。見よ、この配色と柄イキ、実にすばらしい。僕らのファッションの分野との歴史の差を、まざまざと見せつけられた。

 富山県富山市に仕事で行ってきた。どんな仕事かというと、今年秋に富山の総曲輪(そうがわ)というところにできた複合ビル「総曲輪フェリオ」のオープニングイベントのゲストだったんだ。

 イベント会場は、市が15億円もかけてオープンさせたばかりの、ガラス張りのイベント空間「総曲輪グランドプラザ」。初日はセレブアイドルのマリエちゃん、2日目がドン小西のトークショーというスケジュールで、オープニングイベントがおこなわれた。

 僕のトークショーと連動して、地元のファッション関係の専門学校と地元の商店街のブティックがコラボして、手作りのファッションショーとヘアショーも開催されてさ。僕はこのショーの総評をするという仕事も仰せつかったわけだ。

そもそもこの総曲輪通りというエリアは、古くから富山のメイン通り。100店近い商店が並ぶ、歴史あるアーケード商店街なんだよ。今年は、フェリオやグランドプラザもオープンしたし、地域が一丸となって、何とか町を盛り上げようとがんばっているところなんだよね

 というのも、ここ総曲輪だけじゃなくて、地方はどこも、古くからの中心商店街がさびれつつある。以前は地元での買い物といえば、こういうアーケード商店街に誰もが出かけていたものなのに、最近は郊外に大型店舗が増えてきただろ?

 車社会だから、客はどんどん、そうした郊外の大型店に吸い取られて、古くからの中心地にあった商店街は、つぎつぎ店が閉店してシャッター商店街になる。つまり、まわりだけ栄えて、古くからの真ん中の町がさびれる、そんなドーナツ化現象が、今どこの地方でも深刻化してるんだ。

 富山だって同じ。真ん中に位置する総曲輪通りからは、7年前にダイエーと長崎屋が撤退。さらに3年前には西武デパートも撤退したりして、かつての賑わいがなくなっている。一時は、若者の街に衣替えしようと、渋谷の109にあるショップを誘致したこともあったんだって。でもこれも1年もしないうちに閉店。で、総曲輪通りに再び活気を呼んで、元気を取り戻す役割をしてほしいというのが、今回の僕のミッションでもあったんだよ。


総曲輪の商店街にある、富山市ではナンバーワンと言われる寿司店「寿司栄」。
バイ貝を食べさせてくれるということで、「寿司栄」に案内されたんだが、アワビに似た食感がサイコー! 北陸で採れる魚は身が引き締まっていて、何を食べても実にうまい。シャリは少し大きめだが、東京より味付けがやや甘めなんだ。

 というわけで、イベントの前日には、商店街のお偉いさんたちと、総曲輪通りをじっくり歩いてみたりもした。やっぱり老舗が多くて、20〜30年、商品が変わってないんじゃないの? というような、時代を感じさせない店も少なくなかったな。

 もちろん新しい店もあるよ。でもこの手の店は、東京の吉祥寺とか下北にあるような今どきのショップを、ただ小さくしただけのような店ばかり。その昔は、輪島塗なんかの漆器の商店でも賑わってたそうだけど、今じゃ総曲輪ならではっていう、オリジナリティのある店はほんとに少ないんだよね。

 僕も、仕事でしょっちゅう地方に出かけるけど、どこの地方もこうやってアイデンティティがなくなって、一斉にプチ東京化しちゃってるところが一番の問題じゃないかと思うんだよ。よく、「価値観の多様化」とかって言われるけど、むしろ情報化がすすんで、日本中どこに行っても、同じ価値観で動いてる気がする。この商店街でも、歩いてる若者は、話してる言葉こそ富山っぽいけど、見た目は東京とまるでいっしょだもんな。

 そんな今起きてる現実に向き合って、いろいろとチャレンジしている人もいた。たとえばこの商店街で60年間ずっと靴屋をやってきている松井さんという経営者。彼は地元の人たちが喜ぶようなオリジナルの靴を作ったりしてるんだけど、それでもやっぱり時代とともに、商売のスタイルは変えざるをえなかったそうなんだ。今は、地元での商売は全体の半分程度。あとはネット販売で、地域以外の人をターゲットにしたいって言ってたな。

 いやほんと、これが地方都市に起こってる現実なんだよね。実は僕も今、故郷三重県の町おこしの実行委員をやってるんだけどさ。三重だって、まるで同じだよな。プチ東京で収まっているようじゃ未来はないんだって。観光しかり、食文化しかり、環境しかり。地方には東京にないことだって、いっぱいあるんだよ。そんな文化を掘り起こしていこうと、僕も毎月、三重に行っては、協議会に参加してるんだけど、今回は地方のあり方をいろいろ考えさせてくれるイベントだった。

 しかし食だけは、地方のどこに行っても人を裏切らないよね。とくにここ富山は日本海ならではの海の幸が魅力。かにやエビも有名だけど、今回初めてバイ貝っていうのを堪能した。これがおいしくてさ。昼の定食屋さんから、夜の料亭まで、2日間、バイ貝づくめの贅沢な食事を満喫しちゃった。これだから地方出張、やめられませんな。


夜のスナックでちょっと驚いたこと。生ビールを頼んだら、つきだしに味噌煮込みおでん&うどんがついてきたよ。オトクっていうか、何ていうか…。
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