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【206】スイーツはファッション。ロエベもP.エルメとコラボを開始![2007/11/28]

これはびっくり。ロエベのレザーバックかと思ったら、なんとこれ、チョコレート! ピエール・エルメのパティシェが、今回のコラボのために作ったんだって。

 今年は、食品業界にとっては激動の年だったよね。まず中国食品がやり玉に挙がり、つぎにミートホープから始まって、賞味期限改ざんとか、偽装表示とか、いろんな食品メーカーの不祥事がつぎつぎ噴出した。

 ご存じの通り、僕の故郷の三重県でも県民の星だった「赤福」がえらいことになっちゃったし。年間に320万人もいた伊勢の観光客が、このままいくと半分くらいになっちゃうんじゃないかって、観光大使の僕としては暗い気持ちになってるよ。

 もちろん、お客にウソをつくなんて、どんな商売でも言語道断。ましてや人の口に入るものだもの。あっちゃいけないことなんだけどさ、今回つくづく思ったのは、日本のメディアっておもしろいなってことだよね。連日のように、国内の食品メーカーをこっぴどく叩きまくってる一方で、同じメディアが、海外ブランドのスイーツを、目をハートにしてやたらと持ち上げてたりするんだもんな

ケーキの横にディスプレーされていたのは、スパンコールのロエベの新作バッグ。

 というわけで今週は、最近のファッション誌を賑わせている、そのブランド物スイーツの話をしたいと思う。僕らの時代はクリスマスケーキっていうと、こんなイメージ。ぼそぼそしたスポンジに味が薄い生クリームが塗られていて、上にはサンタとか、もみの木の形をしたキャンドル。あと「メリークリスマス!」っていう文字の書かれたクッキーや、仁丹みたいな銀の粒なんかも乗っかってる。こういうケーキを、パン屋さんの店先で、サンタのコスチュームを着た店員さんから買うっていうのが、定番だったと思うんだ。

 ところが最近のクリスマスケーキは、もう昔のそれとは別物なんだよね。この時期、ファッション雑誌をめくると、ブランド物のクリスマス用スイーツがわんさと掲載されている。たとえばショコラの魔術師なんて言われてるジャン・ポール・エヴァンと、ロンドンのフラワーデザイナー、ジェーン・パッカーの花束のセットとか。六本木ヒルズにも出店している、フレンチの巨匠ジョエル・ロブションとフラワー界のカリスマ、ニコライ・バーグマンによるアレンジメントのセットなんていうのもあった。まあ、おしゃれだわ。

マカロンといえば、ピエール・エルメだが、今回のスペシャルアイテムとして3種のマカロンも用意された。左のグリーンが、スペインをイメージさせるオリーブオイルのマカロン。中央の黄色がレモン風味。左は、僕の一番のお気に入り。ピスタチオ入り。

限定100個のボックスはマカロンが12個入りで6000円。箱のハンドルには、ロエベのレザーブレスレット付き。

ハンドルに、スワロフスキーのクリスタルをあしらったレザーブレスレットがついた、クリスマスケーキ。限定20個で20000円

 というわけで気がつけば、スイーツはもう立派なファッションアイテム。おまけにパティシエやショコラティエといえば、今や押しも押されぬ花形職業。ファッションデザイナーなんかより、ずっとかっこいい憧れ職業になっちゃってるもんな。それくらい空前の大ブームなんだよ。

 かたやファッションブランドだって、最近はつぎつぎとスイーツに参入してるよね。ここ数年、海外ブランドの日本出店が、半端じゃなく大がかりになってるだろ。最初はただの「ショップ」だったものが、やがて「メガショップ」を出すようになり、今やアルマーニにしろ、今週銀座にオープンするブルガリにしろ、その名前からして「タワー」だもんな。とにかくそういう海外ブランドの大きなショップには、必ずや「バー・ショコラ」とか、高級スイーツを扱うフロアが用意されるようになってるんだよね。

 そんななか、スペインのラグジュアリーレザーブランド「ロエベ」が、フランスのトップパティスリー「ピエール・エルメ・パリ」とコラボレーションを始めた。そうそう、ロエベっていえば、この前もアウディとコラボレーションしたりとか、何かと話題を振りまいてくれてるよ。

 で、そのロエベなんだけど、2007年のクリスマス用ギフトとして「ファッション×スイーツ」っていうかつてないコラボレーションをしたってわけだ。そして期間限定で「ピエール・エルメ・パリ青山」2階のバー・ショコラのラウンジスペースで、12/20まで期間限定でコラボレーション商品が販売されることになった。

 例によってそのレセプションに行ってきたので、いくつか注目商品を紹介しよう。まずプティガト、マカロン、デザートキュイジーヌ、クレームブリュレという4種類のスイーツがワンプレートで楽しめる1日限定20食のメニュー「ロエベ・アソートメントプレート」。見た目もうっとりするような、この冬必食のアイテムだね。

 それからスイーツを詰め込んだボックスも数々用意されていた。さすがにロエベ。パッケージからして、すごく凝ってるんだよ。たとえばケーキを入れるボックスの持ち手の部分に、ロエベのナッパレザーの、メタリックカラーのブレスレットをくるくるっと巻いてるものとか。これはクリスマスシーズンのみ100個限定だって。

 ほかに、持ち手のところに、スワロフスキーのブレスレットが付いているものなんかもあった。こちらは20個限定。そうそう、ロエベのモノグラムをあしらったボックスに入った限定セットっていうのも、かわいかったなあ。

展示されたラウンジスペースで、WWD編集長の山室さん夫妻らと。おっと、左の美しい女性はロエベのPR荒木さん。

 チョコやケーキなんて、そもそも誰もが小さいときから身近にあったものなんだけどさ。こうやってパッケージやスペースや高級価格などの戦略ひとつで、非日常なアイテムに昇格させることができる。しかも口に入れて食べるものだから、ブランドをまさしく味わいつくすっていうところかな。

 国内の食品メーカーをこてんぱんに叩きまくる一方で、海外ブランドをうやうやしく紹介するメディアに、日本のファッション界を重ね合わせて、ちょっとおもしろくないものも感じてたんだけどさ。こりゃあ、ブームになるわな。そんな、苦くて甘いレセプションでした。

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