世界最大の売り場面積940平米を誇る「ブルガリ銀座タワー」の外観。今や銀座2丁目のシンボルがブルガリか…。
オープン記念として特別展示された110点以上のジュエリーのなかで、最高金額40億円。144カラットの「Long life」と名付けられたサファイヤ。
ここのところ、僕の仕事も手伝ってくれてるうちの奥さんが、あまりに忙しいせいか、なんだか機嫌が悪くてさ。そんなとき彼女が去年と同じコートを着てるのを発見して、「俺も買い物あるから、一緒に今年のコート見に行く?」って誘ってみたんだよ。ところが「けっこうです」って、そっけないのなんの。物があふれる時代。もう物で人の心を動かすのはむずかしいって、つくづく思い知りました。
世の中だってそうだよね。みんな物で欲望を満たすというより、精神的な充足感を求めてる。僕自身もこの年になると、ギャランティの額より何より、自分の心が満足できるような仕事をつい求めてしまうもんな。最後にもう一回、ファッションデザイナーで一花咲かせたいという思いはあるにはあるけど、いざやったら、生地を仕入れて、加工して、売っていって。結局は「物」との戦いになるのが目に見えてる。それより、自分の心が日々充実できるような仕事をしたいと思っちゃうんだよね。
そんな気持ちでいたところに、アルマーニのタワーに続いて、今度はブルガリのタワーが銀座にオープンした。で、そのレセプションパーティに行ってきたんだ。このブルガリ、ラグジュアリーブランドではあるんだけど、もともとはイタリアのジュエラー。僕もけっこうブルガリのデザインが好きで、コロンなんかもずっとブルガリだし、自分のテイストに合うジュエラーかなって思ってる。
そういえば去年、FAnetの激辛丼でも「ブルガリが世界一のショップを東京に計画してる」って書いたけど、まさしくそれがめでたく実現したわけだね。売り場総面積940平米という世界最大規模のショップ。いやいやその名の通り、ショップというよりタワーそのものだよな。
今回のレセプションは、あまり若い人やタレントさんなんかは招待されてなかった。まさしく大人の場だったな。その中でも一番若い人といえば、冨永愛ちゃんだったかな。しかしデカいです。
9階のレストランは、天井が高いのにびっくりした。何だかこの空間にいると、日本にいることを忘れるよ。
これは8階のレストランにあるプライベートルーム。少人数での食事会なんかいいんじゃない? 結構気に入っちゃったね。
ブルガリは2005年9月に、バリ島にリゾートホテルをオープンさせてるけど、これからも世界の主要都市につぎつぎホテルをオープンさせて、ホテル業界にも進出していくと言われている。
で、この11階建てのタワーも、売り場っていうのは1階から3階までの3層のみ。4階から7階までがオフィスで、8、9階がレストラン10、11階がラウンジバーという構造なんだよ。ま、これまでほとんどのビジネスで、中心にあったのは「物」。それを提供して、消費者の物欲を煽るっていう、物欲文化が長いこと続いてたわけだよ。とくに80〜90年代のバブルの時はまさにそれ。ファッションで、ブランドを展開していこうと思うと、そのブランド力を利用して、メンズを始めたり、子供服を始めたり、はたまたがバッグや靴なんかの小物にも手を広げたり。
そんな風に売る物を増やすことで、どんどんブランドを拡大拡張していくっていうのが、以前のファッションビジネスのセオリーだったんだよ。ところが今は、それが大きく変わってきている。たとえばこのブルガリも、レストランやラウンジ、リゾートホテルみたいに、物じゃなくて、贅沢な時間やイメージが、売り物の中心になろうとしてるもんね。
さらにこの先、ファッション業界ではこうしたイメージ寄りの展開をするブランドがどんどん増えていくだろうね。ファッションブランドが経営するエステもできるだろうし、もっと進んで、カウンセリングとか、心のケア産業にまで発展していくんじゃないかな。
そういえば、もともと普通の歯医者だった僕の友人も、最近、今はやりの審美歯科にくら替えして、そこにエステを組み合わせた、完全予約制のラウンジを始めたんだよ。施術料は目玉が飛び出るほど高価だけど、これがなかなか繁盛しているらしい。これも自分の美しさを買うと同時に、そのラウンジでの贅沢な時間やイメージを買ってるわけで。「物」に対して消費者っていうのはなかなかシビアな目を持ってるもんだけど、かたやこの手の目に見えない時間やイメージに対しては、やたらと財布のひもが緩くなるという特徴もあるよね。
いやいや、そんなことより、今週はブルガリタワーのオープニングレセプションの話だった。しかしブルガリはすごいね。ほんの数か月前に、表参道の元シャネルだった建物の一部にツインショップというショップをオープンしたばかり。ここにもレストランとチョコレートバーが入ってるんだけど、たとえば手作りのチョコレートが一粒800〜1200円とかだったりするんだよ。
パーティにはめったに顔を出さないデイブ・スペクターだが、今回はテレビの囲み取材があると聞いて、駆けつけていた。彼とのつきあいは古いが、すごくわかりやすい人で、テレビカメラのないところへは絶対に来ないのだ。その横は僕の仲良しの山本太郎クン。
フランスからファッション雑誌「ロフィシェル」の編集長も出席していた。会場で僕を見つけるなり駆け寄ってきて「日本でもこんなファッショナブルな男性っているんですね」だって…もちろんフランス語だったけどさあ。本当だって!
そんなブルガリが満を持してオープンした銀座のタワーだもの。それはそれは贅沢だった。この日は、総額200億円を超えるという珍しいジュエリーのコレクションも、オープンのスペシャルアイテムとして用意されたんだ。そのなかでも目を奪われたのが、オープン記念で展示された144カラットを超えるというサファイヤ「ロングライフ」。これも間近で見てきたけど、まあ、ここまでくるともうアクセサリーの部類じゃなくて、財宝みたいなものだわな。
とにかくこのタワーを見て、ブルガリはこの先もブランドのイメージをしっかり培っていくんだなと確信したね。こういう目に見えないものを売る商法っていうのは、日本人も学ばなくちゃいけないものだとも思う。国内では、政界、食品業界、スポーツ業界と不祥事が続いて、連日ニュースを賑わしてるけどさ、そんなことしてる間に世界は着実に21世紀型のビジネスに進化してるんだよ。
なんか複雑な気持ちだよなあ。来年1年間は、僕も気持ちを一度リセットして、自分に何ができるのか、自分の過去の経験を何に転換していったらいいのかと、じっくり考えたい。そんな思いに駆られた、世界一大きなショップのオープンでした。
京都の祇園からも今回のブルガリタワーのレセプションに舞子さんが来ていた。このインターナショナルな空間ではまったく絵になる。どんなゴージャスなドレス姿もかなわないと思ったね。本当にかっこいい。
これは1か月前、ブルガリ表参道ツインショップがオープンしたときのショット。一番右は友人の上原さくらちゃん、左から2番目はブルガリ・ジャパンの社長ステファン・ラフェイ氏。そしてその右隣がロフィシェル・ジャポンの高野編集長。
|