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【208】あのラコステが生誕75周年を記念したファッションショーを開いた![2007/12/12]

ショー会場の受け付けには驚いたね。AからZまで26人の女の子が、ラコステの白のポロシャツを着て対応していた。ラコステのアイデンティティを感じさせられたよ。

 ラコステの生誕75周年を記念した、日本で初めてのショーが開かれるということで、恵比寿ガーデンホールに行ってきた。ラコステがファッションショーって、ちょっと意外だよね。このブランドで真っ先に思うのは、ワニのマークのテニスウエア。とにかくスポーツブランドというイメージが強かった。

 ラコステといえば、マンシングウェアー、フレッドペリーなんかと一緒で、今から40年ほど前にワンポイントのポロが大ブレイクした時代があったんだよ。日本にはファッションなんてまだまだ何にもない時代。だから僕らの世代には、特別な思い入れがあるブランドでもあるんだ。

大勢の有名人がラコステのウエアを着て来場。そのときフォトセッションもあった。上戸彩ちゃんもラコステでフルコーディネイト。ニットのワンピースはなかなかかわいかった。

若いモデルたちにせがまれて、一緒に記念撮影。みんなが肩に掛けているバッグは、来場者全員にプレゼントされたもの。

 ちなみにヨーロッパでは、「ポロシャツ」という言い方は通じない国も多くて、その代わり「ラコット」っていうんだけどね。これももちろんラコステから来た言葉。香港なんかもそうだ。つまりラコステというのは、ポロシャツの代名詞なわけだよ。

 ではここでちょっと、ドン小西がラコステの歴史について、知ったか解説をしようと思う。初代オーナーのルネ・ラコステという人は、上流階級の出身でね。お母さんの厳しいしつけの一環としてテニスを習わされたんだ。そもそも健康のためだったんだけど、その腕をめきめき上げちゃって、あげく全米オープンで2回、全仏オープンで3回優勝するくらいの、テニスプレーヤーになっちゃったんだよ。

 そのラコステさんがある日風邪を引いてさ。その頃のポロシャツというのは、Tシャツの生地でできているのが普通で、熱で汗をかき、生地がぺったり身体に張り付いて、どうにも気持ち悪かった。そもそもここの家は発明一家でさ。お父さんも、飛行機の開発をしていたらしいんだけど、このときからラコステさんは、汗をかいても肌に張り付かない新しい素材の開発を自ら始めるんだ。

 そうして生まれたのが、「鹿の子」という生地。厚手で張り付かないし、しかも湿気を通しやすい。これは今じゃ、ポロシャツの生地の定番になっている。

 ワニのマークの誕生物語もおもしろいよ。ラコステさんはテニス界では粘り強い選手としても有名だった。どんなに負けてても、最後はボールを必ずや捕まえる。で、ほかの選手からルネ・ラコステはワニのようだとニックネームをつけられたんだって。そしていつしか口を大きく開いたワニがラコステさんのシンボルマークになって、最初は自分のチャンピオンブレザーに刺繍をしてもらったりしてた。ところがそれが評判がよかったことから、さっそくワニのマークのテニスポロシャツの販売を始めたんだ。

 それから75年。今は、クルストフ・ルメールというフランス人のデザイナーがクリエイティブディレクターをつとめている。今年でこれが7年目。で、今回日本で初めてのファッションショーとなったわけだよ。

今回いくつもの水着がショーに出されていた。黒白の水玉に赤のアクセント。この類のコーディネイトは、僕のここ数年の代表的なコーディネイト。いかに僕が先を行っているか思い知らされたよ(笑)。

ワニのポイントが大きく、黒に白のアクセントが効いている。ショーは男女のミックスだが、メンズでもスポーツの域から出て、カジュアルウエアにと大きく進化している。

エメラルドグリーンも、今期のテーマカラーのひとつ。新鮮だった。白とグリーンのウエッジソールのエスパドリーユがとくにかわいい。

今回の目玉、白のポロシャツスタイルのロングドレス。大きいツバのパナマ帽が、どこかクラシックで、リゾート気分にさせられた。

 今回のショーで感じたのは、ラコステがスポーツメーカーの枠を飛び出して、フレンチプレッピースタイルのプレミアムファッションブランドを目指そうとしてるっていうこと。とにかく意欲的なショーだったよね。

内容は、75年の歴史をしっかりひもときながら、清潔感のあるフレンチスタイルを提案。シンプルなんだけど、どこかに品の良さがあってさ。フランスらしさもいっぱいだったね。初代オーナーのルネ・ラコステという人は、ココ・シャネルとも仲がよかったそうで、フランスのベアリッツというリゾート地に、二人でシトロエンで出かけていって、その町でバカンスを楽しんだこともあったんだって。

 今回のコレクションは、そんなイメージもベースになっていて、レディスウエアでは白、黒、赤、ブルーが基本カラーになったマリンボーダーや、水玉のクラシックなワンピース水着なんかが印象的だったな。あとウェッジソールのエスパドリーユに合わせた、ポロ襟のロングドレスもなかなかだった。さらに、パナマ帽やブロウハット、麻の白いパンタロンなど、どれも品の良い、夏のリゾートファッションっていう感じだった。

 こういうスポーツメーカーも、時代とともにありかたが変わってきてるのかなと思うよね。アイデンティティやブランドにはとことんこだわるけど、表現や物作りのノウハウは新しいものにどんどん変えていく。ファッションだけじゃなくて、車もレストランもそう。歴史があって、しかも今も第一線でがんばってるブランドというのは、残すものと残さないもののスイッチングが上手いんだよね。

 そういえば、僕の事務所のリフォームも、2か月半かかってようやく終わってさ。しかし、荷物の量が半端じゃないんだよ。自分が30年間開発してきた素材の見本だったり、研究してきた服を作るための仕様書だったり、あるいは何度も徹夜して書き込んだ図案だったりは、どうしても捨てられない。せっかくリフォームして非日常的な空間作りを心がけたのに、今のところ段ボールでどこもかしこも埋まってるのが現状。

 そうそう、ラコステと同じように、ドン小西さえ健全であれば、過去の資料は捨ててもいいんだよな。話は飛びましたが、そんな個人的事情にもアドバイスをくれた、ファッションショーでもあった。

(写真左)ショーには白が多く登場するが、赤をアクセントに使うとうんとモダンになる。あえてウエストに持ってくることで、新しく見えてくるもんだ。イメージはフランスでのリゾートファッションなんだな。

(写真中)メンズも柄のほとんどがボーダー。2008年はこの太いボーダーが流行なんだ。

(写真右)全員がカラフルなポロシャツと水着に着替えて、フィナーレを飾った。リボン付きのヘアバンドがかわいかったな。

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