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【214】アン・リー監督の最新作、まもなく公開。その官能美にうっとり![2008/01/30]

舞台挨拶などの司会を、友人のLiLiCoがつとめていた。左のチャイナドレスを着た女性は、劇中のタンゴを歌った冴木杏奈さん。

おもしろい光景だったのでシャッターを押してみた。英語、日本語、広東語という言葉が飛び交う会場。みんながそれぞれ自分の通訳に耳を傾けてる。一番右がアン・リー監督。

 僕はファッションデザイナーでありながら、芸能界に片足を突っ込んでる関係で、毎日のようにいろんな映画の試写会やプレビューのお知らせがくる。時間の許す限り、こういう試写会に顔を出すようにしてるんだけど、いくらなんでも1日2本も3本もは無理だからね。

 その中からチラシやリリースのキャッチコピーやビジュアル、それからキャストの話題性とかをひとつの材料にして、出かけるものと、出かけないものを決めているんだ。これも慣れてくると、いい映画かそうでない映画なのかが、チラシを見るだけで、だいたいわかるようになってくるんだよね

 映画といえば、僕の友人に映画評論家のLiLiCoがいるんだけどさ。ちなみに彼女はスウェーデンから日本にやってきて、最初はアイドル系の演歌歌手をやっていたという経歴の持ち主。ところが、それが鳴かず飛ばず。「捨てる神あれば拾う神あり」って本人も言ってたけど、そんなとき「王様のブランチ」のコーナーで映画評論をやってみないかと声を掛けられたんだって。

 で、評論する以上は、ということで、毎日10本も映画を見る毎日が始まったそうなんだけど、彼女が言ってたよ。「まあ、ひどいわね。7割はダメな映画だもの」って。だから映画評論家は鼻をきかせて、いい映画かそうでないかを前もって見極める能力も必要になってくる。じゃないと、映画は1本見るのに約2時間。10本見たら20時間だろ。時間が足りないもの。

 僕も、たまに「これだ!」と思ってウキウキ出かけていった試写会が、見てみたらとんでもないハズレで、「あーあ、半日無駄にしちゃった…」ってこともあるけどさ、それでも基本的に映画は僕は大好きだし、ひとつの文化だと思ってる。ファッションにも通じるところもあるしね。そうそう、いつか僕は映画の衣装なんかもやってみたいって、長年企んでいたりもするんだ。

 そんなある日、とある映画の披露パーティのお誘いが舞い込んできた。監督は、アン・リー。「ブロークバック・マウンテン」で05年にオスカーも受賞した、台湾出身の監督だよね。その彼の最新作、「ラスト、コーション 色|戒」が公開されるんだけど、これを記念して、日本橋のマンダリンホテルでプレミアム試写会がおこなわれるということだったんだ。アン・リー監督をはじめ、主演女優のタン・ウェイや助演男優のワン・リーホンなんかが来日して、舞台挨拶をおこない、そのあとパーティもやるっていう豪華な試写会だった。

プレミアム試写会では、終了後、何人かの有名人が感想などをコメントするのがお約束。僕ももちろんコメントを求められた。多くの質問が浴びせられるが、なかなか即答できず。けっこうむずかしいもんだよ。

 僕はアン・リー監督も大好きだし、これは見に行かねばと、いろんな予定を急きょキャンセルして、マンダリンホテルに出かけていった。これも、ひとつの直感みたいなもんだったんだけど、結果は果たして…。

 いやあ、見てよかった。ほんとよかった…と叫びたいほどのいい映画だったね。今回はレッドカーペットも用意されて、僕ら有名人はそこを歩いて入場。主題歌のミニコンサートもあったり、舞台挨拶があったり。そうそう、この日の司会は、さっき話に出てきたLiLiCoがつとめてたな。

何人かの記者団に、なぜかさとう珠緒ちゃんとのツーショットを求められた。どう見ても、あまりお似合いではないような…。

何人かの芸能人のなかに、あの菊地凛子さんもいた。ヘアスタイルが変わって、ずいぶんとイメージが変わったね。最初、誰かと思ったくらい。

 とにかくそんな1時間ほどのイベントがあって、いよいよ試写会がスタート。そのあとは、有名人ゲストがひとりひとり呼ばれる囲み取材があって、僕も「感想」をカメラの前で話したりした。そして最後は、僕もすごく楽しみにしていたパーティ。監督やキャストが、映画の裏話や見所を、一緒に食事をしたり、ワイングラスを傾け合ったりしながらおしゃべりする。そんな和やかな、少人数のパーティだった。

 今回の映画のストーリーは、ざっとこんな感じ。 1940年代の日本占領下の上海が舞台なんだけど、その時代に抗日運動に身を投じている美しいスパイが主人公。彼女が、日本の特務機関のリーダーを暗殺しようと企てるわけだな。女スパイは、リーダーに近づくために、愛人になるのだが…。とまあ、あとは見てのお楽しみ。

 何たってこの映画は、女スパイ役のタン・ウェイと、暗殺のターゲットとなったリーダー役のトニー・レオンのベッドシーンがすごいんだよ。いろんな映画を見たけど、ここまで大胆でエロティックなシーンを見たことないっていうくらい。その官能的な世界に、いやほんと、圧倒されました。2時間半、瞬きするのももったいないくらい、夢中になって映画を楽しんだよ。

 ファッションデザイナーとしては、1940年代の上海のリアルな描写もおもしろかった。当時、上海は日本軍の占領下にあった。そこに暮らす日本の貴婦人たちの着物、ドレスや、昼間っから麻雀に興じてる生活なんかもよく表現されていた。

 しかし、巨匠、アン・リー監督だけどさ。意外なことに見かけは、50代のごく普通のおっさんなんだよ。映画を見てつくづく、あのおっさんのどこにこの表現力が? と驚いたもんな。それくらい大胆な映画だった。「ラスト、コーション 色|戒」、お見逃しなく!

助演男優のワン・リーホンと。パーティで、向こうから僕に声を掛けてくれた。舞台からも、観客席にいた僕がずいぶん目立ってたみたい。で、いきなり「デザイナーか?」。連絡先をおしえてくれというから、手書きのネームカードを渡したよ。ちなみに彼はオシャレで、靴はフェラガモ、タキシードはディオール。

主演のタン・ウェイとツーショット。映画の中では少しぽっちゃりみえるけど、実際には小顔で、細いのにびっくりした。ずいぶん実物と違うねと言ったら、「メイクとヘアスタイルのせいじゃないかしら」と。もともとモデル出身で、映画より実物の方がかっこいい。

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