今回の発表会のテーマは「本能を呼び覚ます曲線」。会場入り口には車を女性の体に見立てて、コルセットのような赤いひもでのレースアップのシートでくるんで演出。
会場では妖しげなポールダンスも披露された。そのショーを告知する案内嬢も、仮面をつけてSMチック。
ファッション業界のオトコっていうと、オネエ言葉を使いながら内またで歩くっていうイメージ。そのせいか意外と車が好きな人が少ないんだよね。そんななか僕は、この業界では1、2を争うカーマニアを自負している。実際に昔は、名車っていう名車も所有していたもんなんだ。
あれはちょうど資金繰りに困って事業を縮小していたときだったなあ。ブランドも売却することになれば、ショップも畳むことになって、いろんなものが僕の手から離れていったんだけど、そのときちょうど運転免許までうっかり取り消しになっちゃったんだよね。
で、再び免許を取ったのが2年前。ここでも書いたけど、初めてではないとはいえ、50歳を過ぎてからの免許取得。いやあ、今思い出しても、ハンパじゃない大事業だった。晴れて免許書を手にしたときには、やっとこれで車を運転できると思って、毎晩のように車雑誌に目を通して、どんな車を買おうか研究にも余念がなかったんだよ。
ところが、これという車がなかなか見つからずに、あっという間に2年も経っちゃった。でもそんな研究のおかげで、最近は前よりもっと車のことに詳しくなって、ヘタしたらファッション雑誌より車雑誌からの取材の方が多いんじゃないかっていうくらい。すっかり「車評論家ドン小西」が定着してきた。
僕が得意とするのは、もちろん車とファッション。今までに、たぶんそんなふうに車を見てる人はいなかったんじゃないかな。たとえば車の選び方から、インテリアの選び方、はたまたその車に似合うファッションまで伝授する。そんなドン小西流の車評論が引っ張りだこなんだよ。
最近のアウディのイベントにはファッション雑誌の取材も多い。新作のA5の特徴のひとつにトランクの広さもあるんだけど、僕は取材陣に頼まれて、そのトランクに入って写真撮影。
これがA5を斜め前から撮ったマスク。ヘッドライトが鋭い動物の目のよう。女性の目の表情にも似ている。
これまで車を語るというと、メカニックな視点が多かったけど、ようやく「モノ」として車を見るという時代になってきたってことかな。要はファッションも車も一緒。まずは、自分のライフスタイルがあって、それを表現するためのファッションであり、車であると思う。だから着る物も我慢して、身の丈に合わない車を72回ローンで買うなんていうのは愚かなこと。今はもう車はステータスのシンボルじゃなくて、自分のライフスタイルのシンボルなんだよね。
そんななか、僕が今もっとも気になっている車を今日は紹介したいと思う。アウディだよ。僕も過去に何台か持ってたことがある。一見この車って地味なようだけど、実は知れば知るほどおもしろい車なんだよね。
1899年から100年以上の歴史があって、今から70年も前に史上初という時速400キロの記録を出したことも知られている。普通の乗用車で4輪駆動の車を28年前に初めて発表したのもこの会社。それからル・マンでディーゼルエンジンで乗り込んで制覇したこともあるんだ。
会場にいたロシアとウクライナのモデルさん。美女に囲まれて、報道陣の前でポーズ。
会場には赤と黒の2台が展示されていたが、僕の白黒のコーディネートと偶然にもぴったり。報道陣からは「さすがですね」と言われたものの、たまたまだったからちょっと照れた。
そんなふうに世界の車の文化をリードしてきた、知る人ぞ知る車。で、そのアウディ。ついこの前「R8」というスポーツカーを発表したと思ったら、 今度は「A5」という3.2リットルのクーペを発表したんだな。これがまたオシャレなんだ。
その発表会が六本木ヒルズで開かれたので行ってきた。「本能を呼び覚ます曲線」と銘打って、女性の体の曲線をイメージしたグラマラスなデザイン。前の顔も、どことなく人間の顔をイメージさせるんだよね。ちょっとこれは、買ってみようかなという気持ちにさせられた。また帰ってから、車雑誌で研究して「A5」博士になりつつあるところだよ。
もうひとつは、ルパン三世が乗ってることで有名なフィアット500。これが何10年ぶりかに復活して、新しいモデルが発表されたんだ。これが、小さくてかわいいのなんの。やっぱりこっちも、ひとつ買ってみようかなあっていう気にさせてくれる車だった。
昔は車というと、大きくて、値段が高くて、贅沢でというものだったけど、今はそればっかりが車じゃない。若い頃は、50歳過ぎたら億単位の車を乗ってるんじゃないかって想像してたんだけど。まさかこの年になって、こういう車が好きになるとは思わなかったよ。
というわけで、僕の愛車を探す旅は、まだ続行中です。
左はおなじみ、1969年のフィアット500。右は、生まれ変わったニューフィアット500。半世紀の時間が経過して、デザインのエスプリを残しつつ確実に進化してる。かわいさもそのまま。
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