六本木ヒルズで、展覧会のエントランスの看板前で記念撮影。
今日はワインの話をしようと思う。実は、僕の好きなシャトー・ムートン・ロスシルド(またの名を、ロートシルト)というワインがある。80年代、景気がよかったときには、ずいぶんピーコなんかからいただいたもんだよ。そのうちの何本かは、今も家のワインセラーで寝かせてあるんだけどね。
なんで僕がこのワインが好きかというと、まずはラベルなんだよ。1945年から、毎年違うグラフィックデザイナーやアーティストが、ここのワインのラベルを手がけるようになった。しかもおもしろいんだ。絵を描いた報酬は、その年にできあがったワインなんだって。
しかも、そのアーティストたちの顔ぶれがすごい。コクトー(1947年)、ローランサン(1948年)、ダリ(1958年)、ミロ(1969年)、シャガール(1970年)、ピカソ(1973年)、ウォーホル(1975年)など、もうこれは「近代美術史辞典」だろうってほど、名だたるアーティストがラベルに絵を描いている。というかここに絵を描かなければ、一流のアーティストじゃないというほどなんだよね。
1924〜2005年までのワインが、特別に作られたボトル型の壁にディスプレー。これにはびっくりしたね。
というわけでこのワイン、ラベルもそんな感じでオシャレなんだけど、香りのよさだってすごい。ブラックベリーの香りが力強くて、クリーミーで口当たりが丸い。甘みがあって、スパイシーといったほうがいいかもしれない。「さすがに第一級品」と言わしめるこの味は、誰でも一口飲めばうなると思うよ。
で、そんなムートン・ロスシルドの歴代のラベルを紹介する展覧会が、六本木ヒルズでおこなわれている。そのレセプションに呼ばれて、僕も行ってきたんだ。
そもそもこのムートン・ロスシルドは世界の5大シャトーのひとつとしても有名だよね。ちなみにおさらいしておくと、フランスの南西部にボルドーという地域があるんだけど、上のほうからシャトー・ラフィット・ロスシルド、次が今回のシャトー・ムートン・ロスシルド、そしてシャトー・ラトゥール、ちょっと川沿いに南下してシャトー・マルゴー、それからシャトー・オー・ブリオンというふうに並んでる。これが世界最高級のワインを生む、5大シャトーと言われてるわけだよ。
僕が昔、金持ちだったころ、高級ワインをがぶがぶ飲み比べて出した結論は、やっぱりブドウというのは土壌で決まるということだよね。
土壌というのは、その年の日射や雨量によって大きく変わる。しかもブドウというのは、根を地下数10メートルにまで張るんだ。そんな深い地層のことまで考えつつ、毎年同じようにおいしいブドウに仕上げるのには、管理にはそれはそれは大変な手間がかかる。というか、それをやってきたからこそ、高級シャトーの歴史が継続されてきたってことなんだよ。
ロスシルド家が生んだ偉大な人物 、フィリップ男爵(1902-1988)の一人娘、フィリピンヌ男爵夫人。本名は、フィリピンヌ・ド・ロートシルト。
日本での展覧会を記念して、レセプションパーティもおこなわれた。このような芸術性の高いイベントでは、やはり招待客も大人が中心なんだ。右はモレシャンさん、左はメナード(株)野々川さん、そのお隣は西尾さん。
このワインはもともと1853年、ナタニエル・ドゥ・ロスシルド男爵という人がシャトーを購入、その祖孫のフィリップ・ドゥ・ロスシルド男爵が本格的なビジネスにして、こういうユニークなラベルも始めたんだ。
そうそう、このレセプションパーティには、このフィリップ・ドゥ・ロスシルド男爵の令嬢も来日して出席してた。彼女が、ほんとにすてきなおばあちゃまでさ。パーティもいつもとはちがう大人の雰囲気。やっぱりワインというものは、つくづく深いよ。
僕もここのところちょっと忙しくて、寝る前に酔えればいいやって、安い焼酎なんか飲んじゃうこともある。でも、こうやって手のかかったワインを通して、自然の恵みを味わい、自然の恵みに感謝するっていうのはすばらしいことだよね。成人病の塊みたいな僕だけど、意地になって、貧血おこすほどジムで運動してる場合じゃないと思った。
そんなことより、もっと身近にある食に感謝する。こっちのほうがよっぽど健康によさそうな気がしてきたよ。そのためには日常生活のゆとりも必要。そうつくづく反省した展覧会だった。
ちなみにこのシャトーで当たり年といわれてるのは、「2」と「6」と「9」と「0」と言われている。つまり82年、86年、89年、90年。みんなにもぜひ一度味わってもらいたいな。それからもちろん、ラベルだけでも味わえるこの展覧会「ムートン・ロスシルド ワインラベル原画展」も、おすすめです。
(写真左)これは1985年にラベルになったポール・デルヴォーの原画。オレの顔って邪魔だね(笑)。何でも写ればいいってもんじゃないことがよくわかった。反省。
(写真中)これは僕が所有している数々のヴィンテージ・ワイン・コレクションのなかにある、1970年、1975年、1985年のムートン・ロスシルド。真ん中と右が、展覧会でも原画に出会ったデルヴォーとウォーホル。そして左は、あのシャガールです。すべて昔、ピーコにいただいたもの。
(写真右)アンディ・ウォーホルの作品の原画とオレ!これは1975年のラベルになった。
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