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【222】「買い」の銘柄。ブラジルファッションに注目![2008/03/26]

今回の展示会で、1番注目がこの人。ニューヨークでもお店を持って、人気上昇中のデザイナー、MA´RCIA GANEM(マルシア・ガネン、左が本人)。合成繊維のファイバーを使用して、どことなくオリエンタルを感じさせる彼女のコレクションは、芸術的で、個性的だった。このデザイナーの作品には、ドン小西も心を打たれました。

 みなさん「BRICs」って聞いたことあるかな? これはアメリカの大手証券会社ゴールドマンサックスが作った造語で、これからの世界経済のキーを握っていく4つの国の頭文字を取ったものなんだ。つまりブラジル、ロシア、インド、中国のことだよ。

 この4か国はここ数年で飛躍的な経済成長をしていて、あと30年もしたら、今の主要国に代わって、世界経済を牛耳っていくんじゃないかと言われている。そんなわけで、知り合いの証券会社からは、BRICsの投資信託を買わないかとか、株を買わないかとか、売り込みもすごい。

 まあそんなことより、今週はそのBRICsのひとつ、ブラジルのファッションの話をしようと思う。

 3月の中旬に「日本ファッションウィーク」があったけど、この期間には東京コレクションが開かれたり、東京のあちこちのいろんなメゾンでイベントが開かれたりしたんだ。で、そのひとつが「ブラジル・ファッション・ナウ」というイベントだった。

 ブラジルファッションデザイナー協会など、ブラジルのモードに関わる多くの協会が団結して、08年秋冬の展示会を開催。23のブラジルのファッションブランドが集結して、レディス中心に、ウエア、靴、アクセサリーなど、ブラジルモードをトータルに紹介したわけだよ。

(A)この靴もすごくモダンで、ちょっとびっくり。CAVAGE(カヴァージ)というラグジュアリーなシューズブランド。都会のプリンセスをテーマにしたそうだが、バレーシューズなんかも作っていた。

(B)CONFRARIA(コンフラリーア)というバッグブランドも、今回の展示会では僕のお気に入り。ストローと、レザー、ファー、クリスタルという素材をふんだんにミックスしたグラマラスなバッグだった。たくさんの作品が展示されていたが、これはとくにお気に入りのナンバーワン。

(C)THAIS FRANÇA(タイース・フランサ)で目を引いたのは、金銀のフレームの中にひとつひとつレース編みが施されているアクセサリー。モダンとハンドクラフトを混ぜ合わせた、ブラジルデザインのお手本のような作品。

(D)LA CHICA CHIC(ラ・チカ・シッキ)というバッグのブランドだが、この作品はエナメルバッグの口のところに、アルミの糸でかぎ針編みの装飾が施されている。もちろん手編み。バッグの真ん中には天然石をスライスしたものを置いて、アクセントになっている。ブラジルらしいデザインだ。

会場内の場を盛り上げていた、ブラジル人のかわいいDJたち。

 会場は表参道ヒルズだったんだけど、とにかく行って驚いたのは、その勢いだよね。やっぱりファッションは、経済が安定してこそ生まれるんだなあっていうことを実感した。経済がよくなれば、ファッションも見直されてくるし、そうなればまた経済もさらによくなってくる。ファッションは、そんな経済のバロメータという気もするよ。

 そう考えると、ファッションは決してアートじゃないんだよね。というか、むしろど真ん中の経済活動。僕の数10年間のデザイナー生活で、ファッションはアートなんだって勘違いしてたこともあったけど、それは大きな間違いだった。これにもっと早く気がつけば、僕の人生も変わってきたかもしれないと思ったよ

 今回の会場は表参道ヒルズのスペース[O : ]。23の参加ブランドがそれぞれブースを設けて新作を発表していた。そうそう、このブースが囲む形で、DJボックスもあって、中にはドリンク片手に踊ってる人もいたりした。そんなちょっとしたクラブのような展示会だったんだよ。

実は僕は、何年も前、ブラジルのアパレル企業と手を組んだことがあったんだ。僕がデザインをして、それをブラジルのアパレルに発注。商品はウルグアイで作られて、最後はニューヨークのデパートに卸されるっていう、まさに世界をまたにかけたようなプロジェクトだった。

 そのときにブラジルのファッション誌やカタログなんかもよく見ていたけど、まさかたった10年ちょっとで、ブラジルのモードがこんなに成長するとは思ってもみなかった。とにかくすごい成長ぶりだよ。

 これは日本のデザイナーも、まじでぼやぼやしてられないよ。クオリティにしろ、物を作る姿勢にしろ、開発能力にしろ、何もかもが優れてるもんな。ファッションウィークでは、日本のデザイナーのショーももちろん見たんだけど、比べてみると日本は、そういう物作りの基本姿勢をすっかり忘れてるよね。

 たとえば、どんなおもしろい組み合わせで着せるかとか、そういうデザインの見せ方とか演出ばかりに目がいって、肝心の「物」のほうにあんまり気が回ってないんじゃないかね。簡単に言うと「いいね」っていうより、「おもしろいね」っていう物ばっかりなんだよ。

彼女はERIKA IKEZILI(エリカ・イケジリ)。てっきり日本人だと思って声を掛けたら、まったく日本語がダメなんだって。でもその柄使いには、不思議と日本の着物を感じさせる。サンパウロのファッションウィークでは大変有名なブランドらしい。

 一方ブラジルがすごいなと思うのは、国の代表選手だという意識を持って、日本に乗り込んで来たデザイナーがほとんどということ。これだけ成長してくると、マーケットも拡大して、いろんなものが作れるようになったと思うんだけど、目先のことを見たりしないんだよね

 トレンド性はちゃんと持ってるけど、同時にブラジル特有の天然素材とか、石とかをふんだんに使ってる。しかもブラジルの人たちの失業率が少しでも減るようにと、手作りの部分を増やして、労働力まで増やしたデザインが多いんだ

 ひとつのブランドが一人勝ちすればいいっていう発想はない。だから23のブランドは、モダンとプリミティブ、そしてハンドクラフトが絡み合ったテイストで、どことなく似てもいる。

 それにしても、何10年もこの業界にいる僕だけど、ファッションから、この手の感動を感じたのは何年ぶりだろう。いやほんと、そんな印象的な展示会だった。それだけにもったいないと思ったこともあるんだ。こんな展示会があったなんて、世の中の人はあんまり知らないだろ? 表参道ヒルズのブースだけじゃなくて、日本の雑誌やショップを活用して、もっと普通の日本の人たちにも見てもらう工夫もあったらよかったよなあ。

このブランドはCECILIA PRADO(セシリア・プラド)。このブランドはニットが中心だが、フォークロア調の大胆なパッチワークとか、どことなく僕のニットのテイストと似ているところがあった。色彩的な部分でも、クオリティの高い作品。左がデザイナー本人で、「気に入った作品はどれ?」と聞いたら、これを見せてくれたんだ。

会場でミョンちゃんという女優にも出くわした。隣は、このミョンちゃんと1月のドラマで共演した高嶋政伸クン。

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えっ! ドン小西があなたのファッションをチェックしてくれる?!≫

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