Regular Contents
FAnet TOP連載コンテンツ一覧CLOSE
【223】今年もやってきたオスカー授賞式。ベストドレッサーはこの人です![2008/04/02]

ケイト・ブランシェット。ハリウッドっぽくはないが、この手のドレスにはメッセージがあるよ。Photo:Getty Images/AFLO

マリオン・コティヤール。見れば見るほど、ゴージャスなドレス。全部手作りだと思うよ。バッグはスワロフスキー、アクセはショパール。Photo:BENAINOUS ALAIN/Gamma/Eyedea/AFLO

 自分が出演するテレビのなかでも、僕自身、毎年収録をかなり楽しみにしているものがある。ムービープラスというCSの番組の「アカデミー賞ファッション&レビュー」だよ。ファスナーのYKKをスポンサーに、アカデミー賞授賞式に登場したセレブたちをファッションチェックする番組。

 今回でもう4回目になるかなあ。今年もいつものメンバー、つまりMCをクリス・ペプラー、映画評論を襟川クロちゃん、日本のセレブ界を代表して神田うのちゃん、そしてファッションの評論家としてドン小西という4人で番組を進行した。

 オンエアは3月22日から3回あったんだけど、見てくれたかな? 今年は、みんなもニュースで聞いているだろうけど、ハリウッドの脚本家組合のストで、授賞式がおこなわれるかどうか危ぶまれていた。で、結局やると決まったのは、授賞式のわずか1週間前。例年と比べて、準備も十分にできなかったという特殊事情もあったんだよね。

 何たってこの授賞式、ファッションブランドやジュエラーにとっては、年に一度の一大イベントだからね。女優たちがレッドカーペットで着たドレスは、世界中で瞬く間に話題になって、ブランドにとっての経済効果もハンパじゃない

 もちろんブランドやデザイナー側の気合いも相当なもんで、しかもそれが年々エスカレートしてきている。ちなみに、こういう傾向が始まったと言われるのは、1998年。今「ニナ・リッチ」で活躍しているオリビエ・ティスケンスというデザイナーに、マドンナがアカデミー賞授賞式に着るドレスを発注して、その名が脚光を一躍浴びたことからなんだ。

 以来、このレッドカーペットは、デザイナーやブランドが全身全霊を込めて挑む晴れ舞台という要素が大きくなってきた。もしそれが、ストでおこなわれなければ、経済的な損失だってすごいよ。そう思って、今回はみんな冷や冷やしてたんじゃないかな。

 というわけで、なんとか始まったアカデミー賞授賞式。この番組でも、みんなでそのファッションをチェックしていったんだけど、まず話題になったのは、「なんでこんなに赤のドレスが多いの?」ってことだよね。あとはブルーやグリーンのダークカラー、そしてプラチナ色の輝くドレスも目立った。

ニコール・キッドマン。さすがにハリウッドNO1のミーハーファッション。奇をてらった、ものすごいネックレスに、ドレスは大人気のバレンシアガ。Photo : ロイター/アフロ

ハイジ・クラム。今年は、アン・ハサウェイをはじめ、赤のドレスのスターが多かった。なかでもずば抜けてカッコよかったのが、このドレス。さすが、ジョン・ガリアーノ! Photo:Getty Images/AFLO

 一方ジュエリーのほうは、昨年、一昨年とネックレスをしない傾向があったけど、今年はすこし変わって、胸元のネックレスが復活した兆しがあった。ただしネックレスといっても、今まであまり見なかったチェーンのダイヤモンドがキてるということ。

 ニコール・キッドマンがお手本だけど、7645個以上のダイヤモンドをチェーンにとりつけて、総カラット数は1399カラットだって。これは、今回すごい注目を集めてた。それからもうひとつは、ペンダントのようなものも復活してたな。チェーンの先に天然石がドーンとぶら下がってるもの。ま、ネックレスも基本に戻ってきたってところだろうね。

 それからブレスレット。多くの女優さんが去年から身につけていたけど、今年はゴージャスさがエスカレート。エスニックの太いブレスレット、つまりバングルのようなものが主流になってきた。

 というわけで、今回はこの番組でノミネートされたベストドレッサー5人について話そうと思う。まず、フランスの歌手、エディット・ピアフを描いた映画『エディット・ピアフ〜愛の讃歌〜』で主演女優賞に輝いたマリオン・コティヤール。それから、『エリザベス:ゴールデン・エイジ』のケイト・ブランシェット。彼女はここ数年、アカデミー賞の常連だよね。あとは『The Savages』のローラ・リニー、『JUNO/ジュノ』のエレン・ペイジ、そして「つぐない」という作品で、若干13歳にして助演女優にノミネートされたシアーシャ・ローナンというラインナップ。

 この番組では、番組独自のグランプリも選んだ。このベストドレッサーになったのが、ケイト・ブランシェット。実はゲスト4人の間で意見が割れたんだけど、最後は審査委員長の僕の独断で、彼女に決まったんだよね。

 ケイト・ブランシェットが着てるのは紫のドリス・ヴァンノッテンのエンパイアドレスなんだけど、襟元がすごいんだよ。ホルダーネックの部分に、プラチナ色やエメラルド色のビーズや石が縫いつけられている。そしてドレスの裾にはエスニックな刺繍。
 アクセサリーは、ロレーヌ・シュアツというブランドの豪華なバングル。しかも3つ重ねての登場だ。

 もともとドリス・ヴァンノッテンはエスニック色の強いデザイナーとして知られるけど、今や世の中が自然志向やエコに傾いている。ファッションもプリミティブなものや、民族的なものが求められているよね。そういう意味でも、時代をすごく反映しているドレスだと思った。

番組終了後、4人揃った記者会見で、僕がコメントしているところ。胸に付けているのは、数千万円はするダイヤモンドのブローチ。もちろん借り物だよ。

神田うのちゃんは、最近、ドレスというと自分でデザインしたものしか着ないんだよ。今回はちょっと地味め。彼女の結婚後、初めての囲み取材だけあって、このあと、プライベートな質問攻めで大変だった。

 そうそう、彼女、妊娠もしてるんだよね。今回はニコール・キッドマンも妊娠中だったけどさ。妊婦女優さんがレッドカーペットを歩くというのも、ここ数年のオスカーの定番っていう感じになってきたね。

 続いて審査員特別賞に選んだのは、ジョン・ガリアーノの真っ赤なドレスを着たハイジ・クラム。ファッション界では、クラシシズムとモダニズムのハーモニーと言われてるんだけど、一方で、構築的とか建築的という言葉もよく聞くようになった。ドレスが、立体的なスカルプチャのように作り込まれる傾向はたしかにあるね。彼女のドレスもそんな意味で、今年っぽさ満点ということで。

ところでベスト・ドレッサーを誰にするか、意見が割れたと言ったけど、神田うのちゃんが押したのは、マリオン・コティヤールだった。彼女のドレスはジャンポール・ゴルチェなんだよ。マーメードスタイルのドレスを、まさに人魚の鱗のようにをつなぎ合わて作った、とてつもなく手がかかったドレスなんだよね。うのちゃんは、パリでおこなわれたゴルチェのオートクチュールコレクションを見に行った感動もあったらしくて、最後の最後までコティヤールだって言ってたな。

 まあ、レッドカーペットを歩くスターであっても、やっぱりファッションは時代を映してなくちゃいかん。うのちゃんには悪いが、そんな意味で、今年僕が選んだアカデミー賞授賞式のベストドレッサーはケイト・ブランシェットでした。また来年も、楽しみだね。

previous next
えっ! ドン小西があなたのファッションをチェックしてくれる?!≫

top page close×