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「フォアグラのソテー・春野菜を添えて」。フォアグラのジューシーさと春の味、新たけのこの焼き具合が絶妙。焼いたイチゴも甘さを増し、すべてのコントラストがちょうどいい味わいです。
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昨年、銀座の並木通りにオープンしたVelvia館。その8階にあるのが、肉のおいしさで多数のファンを集める鉄板焼きフレンチのお店、『ahill』(アヒル)銀座店です。
店内は日当たりがよく、清潔感が漂っています。フランス料理なのに、キッチンはフルオープン。カウンターに座ると、シェフが料理する姿を眺めながら、ライブ感たっぷりの食事が楽しめそう。
オープン間もないお店を率いるのが、山下九シェフ。鉄板焼きフレンチというユニークな料理ジャンルを切りひらいた張本人です。この銀座店とともに、『ahill』西麻布店の総料理長も、山下シェフがつとめています。店名の『ahill』は、「いつかは白鳥になって飛び立ちたい……」という思いを込めて、山下シェフが名付けました。
子供の頃から食べることが大好きで、うどんの出汁などにもうるさかったようです。早熟な味覚に周囲も気づいていたのでしょうか、中学生になるまでに、両親に連れられて『キャンティ』や『ニコラス』といった名店にも行ったことがあるのだとか。味覚の英才教育を自然なかたちで受けていたのかも。
「高校生のときは、飲食業でアルバイト。そのとき、”誰でもできるんだなぁ、水商売は”と感じましたよ」。若干いたずらっ子っぽい話し方ではありますが、優しく魅力的な低音の声に、思わず引き込まれてしまいます。
転機は大学受験を目指して浪人生活を送っているときに訪れました。なんと、原付で事故。長い入院生活を過ごすうちに、受験勉強をする気が失せてしまったのです。
「何もしないのでは両親に申し訳ないので、いろいろと考えた末、食べることが大好きだから、料理の世界に入ろうと思ったわけです」。
「どうせ入るなら一流なところ」と思った山下少年、『クィーン・アリス』や『オテル・ド・ミクニ』にいきなり電話をして、「雇ってもらえませんか」と連絡したのだとか。通常、高級店は調理師の専門学校の卒業生の就職が決まっています。調理経験もない少年に門が開いているわけはなく、この計画はあえなく挫折。
それでも山下少年はめげません。今度は「銀座で働きたい」と目標を変え、とうとう『チボリ』に入社。そこで5年間頑張り、その後、有名レストランで短期間の助っ人も経験しました。
さまざまなタイプのシェフと一緒に仕事をする中で、山下シェフの頭に、ひとつのアイデアが浮かんできました。それが「鉄板焼きフレンチ」でした。
“鉄板”を謳っているだけに、肉へのこだわりは並々ならぬものがあります。特に、ステーキに使う、シェフ自ら厳選した宮崎県の都城牛は絶品です。しかも、焼き加減が絶妙なんです。「お肉を焼いているときに、中の状態を考えるのが楽しい」と山下シェフ。さすが、食べることの好きなシェフですね。
山下シェフ入魂のステーキを食べるだけでも、この店に行く価値はあります。でも、それだけで終わっちゃもったいない! 前菜やアラカルト、デザートなど、多数のメニューがありますが、どの料理もおすすめの品ばかり。山下シェフの料理を味わっていると、不思議と活力が沸いてくるんですね。
「飲みながら食べる、ひたすら食べる。どちらを目的にいらっしゃっても、大満足していただけると思います。私は作ることにベストを尽くしますから、みなさんは、食べることにベストを尽くしに来てください」
山下シェフの料理と人柄には、人を元気にさせる”何か”があるようです。みなさま、『ahill』へ行ったら、大いに飲み、大いに食べ、大いに語り合いましょう! きっとハッピーになれますよ。
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| リズミカルなヘラさばきで肉や野菜を焼く山下シェフ。素材の中がどうなっているのか想像しながら焼いているそうです。料理が本当に好きなのでしょうね。 |
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| 明るく清潔感たっぷりな店内。キッチンだけを見ると鉄板焼きのお店みたい。鉄板焼きフレンチというユニークなアイデアは、ジャンルの違う料理人との交流から生まれました。 |

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